新入社員部長、助けてください!もう限界です…..!



朝から大きな声だね。どうしたんだ、そんなに青ざめて。



毎日ToDoリストを消化してるのに、仕事がまったく減らないんです!朝から晩まで必死にタスクをこなしているのに、成果が出ていない気がして…..。これ以上どう時間を捻出すればいいんですか!?



なるほど。ハムスターのように回し車を全力疾走している状態だね。動いてはいるが、前には進んでいない。



そ、そんな言い方しなくても…..!こっちは必死なんですよ!



その『必死さ』の方向が間違っていると言っているんだ。君に必要なのは、根性でも残業でもない。『捨てる勇気』だ。
結論



結論から言おう。君の忙しさの原因は『全てのタスクを平等に扱っていること』にある。
- 成果の80%は、上位20%の「重要なタスク」から生まれる。
- 残りの80%の時間は、成果に直結しない「些末なこと」に消えている。
- 「全部やる」を諦め、「重要な少数」に一点集中せよ。



いやいや、無理ですよ!「全部やるな」って、現場を知らないからそんなことが言えるんです!



ほう?



メール返信も、会議の資料作りも、電話対応も、全部やらなきゃ回らないじゃないですか!『重要な20%だけやります』なんて言ったら、クレームの嵐で僕の席がなくなっちゃいますよ!



落ち着きたまえ。誰も『残りの80%を無視しろ』とは言ってない。『力の入れどころを間違えるな』という話だ。
パレートの法則とは何か
精神論ではなく、数字の話をしよう。パレートの法則とは、イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが提唱した経験則だ。『結果の大部分(80%)はごく一部の原因(20%)から生み出される』という現象を指す。
パレートは庭のエンドウ豆を見て気づいた。「収穫される豆の80%は、わずか20%のサヤから採れている」と。
これはビジネスや時間管理においても恐ろしいほど当てはまる。
- 売上の80%は、20%の優良顧客が生み出す。
- トラブルの80%は、20%の原因(特定のシステムや人)に起因する。
- 君の成果の80%は、君が働く時間の20%から生まれている。
つまり、君が8時間働いているとして、本当に価値ある成果を生んでいるのは、実は「約1.5時間」しかないということだ。残りの時間は、ただ「忙しいフリ」をしているに過ぎない可能性がある。
なぜ「忙しいのに終わらない」のか
君が陥ってる罠は、「些末な多数(Trivial Many)」に時間を奪われていることだ。
10個のタスクがある時、本当に重要な(=評価や売上に直結する)タスクはせいぜい2つだ。
これを「重要な少数(Vital Few)」と呼ぶ。
しかし多くの人は以下のようなミスを犯す。
- 1.簡単なタスクから手を付ける
メール返信や経費計算など、重要度は低いが「完了させやすい」タスク(下位80%)から始めてしまう。 - 2.達成感の罠
ToDoリストを消し込むとドーパミンが出るため、「仕事をした気」になってしまう。 - 3.時間切れ
夕方になり、脳が疲弊した状態で、本当に重要な「残り2つのタスク」に取り組み、質が下がる。
これでは成果が出ないのも当然だ。
「ロングテール」の視点も忘れるな
ただし、君が反論した通り、「下位80%」を完全に切り捨てるのはリスクがある。ここで重要なのが現代のネットビジネスなどで語られる「ロングテール理論」の視点だ。
- パレートの法則(選択と集中):
限られたリソース(君の時間)を、最大効果を生む部分に投下する。 - ロングテール(塵も積もれば):
ネット通販のようにコストが掛からない場合、売れない80%の商品も集まれば利益になる。
個人の時間管理において、我々は「パレート」を主軸にすべきだ。我々の時間は有限だからだ。
しかし、「下位80%の雑務」をおろそかにしすぎると、足元をすくわれる。
重要なのはメリハリだ。
上位20%には「自分の最高のリソース(朝の集中力)」を使い、下位80%は
- システム化する
- 人に任せる
- 時間を区切って60点の出来で終わらせる
という処理をする。これがプロの戦い方だ。



なるほど…..。僕は今まで、重要じゃない80%の雑務を、全力投球で100点満点に仕上げようとしていたんですね。だから時間が足りなかったんだ。



その通り。リソース配分のミスだ。すべてを完璧にこなすスーパーマンを目指すのは。、今日で終わりにしよう。



はい!…..でも、具体的に明日から何をすればいいですか?



やることはシンプルだ。明日の朝、仕事を始める前にこれだけやってくれ。



まずはこの『トップ2』を朝一番に片づける習慣をつけるんだ。それだけで、君の景色は変わるはずだよ。さぁとっとと帰って寝たまえ。

